創立60周年記念 座談会 (平成25年10月3日)

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広報は実践あってはじめて意味がある

広報課題
技術・労務・経営改善委員長
㈱福津組 代表取締役社長 福津 隆範

 

1. PR戦略と行動計画(いつ・どこで・なにを・どのように・なぜ)
 荒木正芳氏が“戦略的広報ガイド説明会から学ぶ事”と題して、本年8月30日こんな講演をされたことが「北海道建設新聞」に載っていました。
 戦略的広報活動とは、「建設業のPR下手を解消する」「マスコミに取り上げられることだけが目的でなく、建設業の情報発信力を高めて、重要性やインフラ整備の必要性を理解してもらうことが目的」「情報発信力向上のための、持続可能な広報体制を確立する必要がある」という内容でした。本日の座談会の内容そのものです。
 「いつ」ということは、ただいま会長が看破されたように、まず小樽建設協会としてさまざまなインフラを学習し、インフラそれぞれのスペシャリストを育成する助走期間を指します。今後、徹底的に学んでいく必要があるかと考えています。
 「どこで」は、基本的に協会ですが、場合によっては現場に出向いて学ぶこともあると思います。
 「なにを」は、もちろん地域のインフラです。なんのために造られたのか?
 いつ造られその耐久年数は? 維持管理は?今日の新技術との比較は? 他のインフラとの関係は?こういったことを学んでいきたいと思います。
 「どのように」は、発注者・管理者・工事者・維持者・専門家からレクチャーをいただき、地域インフラの総合的視点で質疑応答しながら認識を深めたいと考えています。
 「なぜ」が最も大切なのですが、本座談会でも方向性が見えてきているように、「地域にとってインフラがいかに大切か」という世論の形成が基本的な戦略だと考えています。

2. 公的機関と連携した地域インフラニュース
 年1回でもいいので、公的機関と連携しながら、住民に提供すべき情報を広報してはどうかと考えます。

3. 表現の工夫 (DVD ・冊子)
 「広報」とは文字どおり「広く知らせる」と認識していますが、英語のパブリック・リレーションズ (Public Relations = PR)の訳語です。元々は戦後 GHQが民主主義を根づかせようと中央官庁に導入した概念で、「広報」と訳されたことから、「広く知らせる=お知らせする」という意味で使われるようになったようです。近年では、行政への市民参加が重要との認識の広がりを受け、本来の意味である合意形成の手段として考えられるようになりました。
 その媒体は現在多様化しています。印刷媒体・電子媒体・電波媒体、あるいは活動媒体など、それぞれがさまざまな特徴をもって細分化しているので、効果的かつ戦略的な広報を組み立てていくことが課題となります。

 以下、役立つと思われる資料をご提供させていただきます。

一広報のための基礎知識一
①広報3カ条
イ)誰に、何を伝えるか明確にする。
ロ)相手にどう伝わったのかを、キチンと検証する。
ハ)一度ですべてを理解してもらおうとは思わないこと。
②誰に伝えるのか
・子供:建設工事のやりがい、スケールの大きさを伝える。
(「高速道路体験バスツアー」など、建協・建世会が活動をしてきている)
・女性(主婦) :女性や主婦からみた視点も重要だが、実施例が少ない。 (上記のパスツアーでは親や教師が同伴している)
・地域住民:雇用を支えている実態、災害対応などを説明すると、建設業の重要性を理解できる。
・他産業:商工会議所や各団体活動を通じてコミュニケーションが取られている。
・都市住民:ほとんど建設業には無関心だが、故郷やドライブ・旅行などを通じて、地方にも関心を持つことが多い。
③広報・PRのポイント〜一般のメディアに取り上げてもらうために
・単発や単一企業の取り組みより、業界全体や行政・学校などと連携した活動への評価が高い。
・メディアが関心あるキーワードは「環境・リサイクル」 「福祉」「再生可能エネルギー」など。
・広報用資料を作成して配布(プレスリリース)。
・メディアが飛びつきそうな画で、ストーリー性があれば、
なおよい。

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広報への意見   吉本会長

 

 我々が率先して開催したパネル展の貴重なアンケート結果の解析をもとに、本日の座談会でこれからの協会のあるべき方向性が見えてきました。見えてきたということは、我々自身が「そうだそうだ」と納得したという意味です。つまり、納得したということは、我々にとって新たな発見です。そして新たな道を切り聞こうとしつつあるわけです。
 「新たなこと」というのは、納得した我々以外の人々にとっては、「変わったこと」に映るものです。言い放しではもちろん「あの人たち変わっているな」で終わりです。だから武内さんは「新しい道を切り開くということは、新しいことのための普通の活動の蓄積が大事だ」と言ってきたのです。そうすると、「言うだけではなく行動しているし、よく考えるとそれは正しいことだ」と、まわりに印象づけられます。そして「彼らの実践が社会に影響を与えている」という事実の積み重ねが啓発につながる、そういう意味だと私は思います。いくら正しいと思っても、言葉で伝えるだけでは、決して伝わらないのです。
 福津委員長が今回いろいろな資料を探されたご苦労は敬意に値しますし、それらを今後、さまざまな計画と活動をしていくうえでの参考にしていきたいと思います。
 そして付け加えたいのは、私のなかで、これまで納得してきたことが、すでに信念のように強い思いに変化しているということです。人問、信念を持ったら、行動あるのみです。回り道しても信念の補強にはなりますが、信念の具現化にはなりません。
 ですから、「インフラビジョン」にあった、それぞれがインフラのスペシャリストになるということに加え、今回担当された役員の皆さんには、教育研究・防災対策・世論・広報などの部門で、今後それぞれの部門をどのように協会員に浸透させるかということを真剣に考えていただきたいと思っています。

 

 

 

広報への意見   進行 石井

 

 日頃の会長の熱意と覚悟がひしひしと伝わってきます。今後の協会の方向性が見えてきました。
 ただいま福津さんがお配りした資料「建設の仕事ってなに?」は、中央の建設協会のものをリライトして、北海道建設業協会が発行しているものです。こんなにわかりやすいものがあるのに、ほとんど普及していないということは、大変失礼ですが、業界に広報が大切だという認識が希薄だからではないかと思います。しかし我々は、本日会長もいわたように、広報の重大性も納得しました。ですから、配り方や手渡すときの説明、具体的事例の補足、そして地域に存在するインフラ全体の体系や大切さに言及できる戦略的広報を展開できたらと感じます。

 

「公共事業を考え戦略的に提案し、管理しながら工事を担う立場」 >>

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