創立60周年記念 座談会 (平成25年10月3日)

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道路の使われ方というソフトを分析したハードへの対応

道路   ㈱スガワラ 代表取締役社長 菅原 圭介

 

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 「道路」というテーマということで、少し道路の歴史を調べてみました。
 大昔の「みち」から「道路」といわれるようになったころ、もともと道路とは「生活道路」という位置づけであり、子供たちが日向ぼっこをしたり、そこに住む人々が井戸端会議をしたりという空間でもありました。
 時代が進み、産業発展のために車が利用され、車社会になっていくにつれて「産業道路」が重要視されるようになります。同時に大型車輌へも配慮した道路づくりを経て、現代では、「避難道路」や「観光道路」としての必要性もよく耳にします。人々の暮らしの変化とともに道路の使い方も多様化してきていると感じました。
 そこで、私たちの生活する後志管内の地域活性化を望む立場として、「観光で地域を活性化させるための道路」の必要性を考えてみました。
 現在の後志管内の観光の中心は小樽であり、近年賑わっているのがニセコ地区であります。しかし、管内には、積丹半島の海岸線や国の天然記念物に指定されている黒松内町の「ブナ自生北限地帯」など、まだまだ恵まれた自然景観を利用した観光スポットが数多くあります。そのような地域は知名度も低く、なかなか観光客を呼び込むのが困難な状況であり、地域活性化にはほど遠いのが現状だと考えます。この状況を変えるには、観光ツアーの移動時間を短縮できる安全な道路が必要ではないかと考えています。限られた時間で、いかに広い後志管内にある多くの観光スポットを回れるかが、大きな課題のような気がします。
 そのためには、管内を縦横断できる高速道路および高規格道路、そして、各地域への枝線となる現国道・道々の整備が絶対に必要であると同時に、北海道の空の玄関口である新千歳空港へつながる、環状化された高速道路網の整備も重要ではないでしょうか。
 このように、観光には道路整備が不可欠であり、地域活性化に道路は重要な役割を果たすものだと思います。後志管内にはまだまだ道路整備が必要であり、これからは建設業界に限らず、地域住民みんなで道路の必要性を訴えていかなければならないのでないかと感じています。

 

 

 

道路への意見   吉本会長

 産消協働事業の一環として「しりべしミュージアムロード」という、広域ネットワークが設定されています。これは倶知安・ニセコ・共和・岩内の美術館や記念館が連携した事例です。後志を観光で訪れる方にとって、行政区分は無意味な場合もあります。こういう場合、セクショナリズムはむしろ地域発展のネックです。観光客が求める「楽しみ」を前面に掲げて、地域それぞれが発展することを目標に、地域が仲よく連携することが重要だと思います。
 武内さんは「後志はひとつのまちだ」とよく言っておられました。

 

 

 

道路への意見   アドバイザー 今

 道路は、人やものの移動を円滑にするほか、ライフラインを併設されるなど、エネルギーや情報通信のためにも大きな役割を担っています。都市では道路によって街区が形作られ、道路計画は都市と一体のものです。したがって、道路事業を考えるときには、都市や中心市街地、近隣などに対するまなざしとともに、他の街さらには地域と結ぶという広域的なまなざしの両方をもって考えなくてはなりません。地域の建設業者として、身近な交通環境やライフラインなどの収納機能に対するまなざしとともに、地域開発の担い手として、広域的な視点からも整備について考えを持っていく必要があります。

 

 

 

道路への意見   進行 石井

 只今の皆様の議論を聞いて思い出したことがあります。平成6年に武内さんの提唱で開催された第1回フォーラムです。武内さんは、管内から1,000人以上集まった方々に、「待望の229号が全通した。交流人口の増加が期待できる。でも交流入口を迎える我々自身が交流していなければ本当の交流とはいえないのではないか」と、そう訴えたかったのではないかと私は感じました。ただいまの今先生の、両方へのまなざしという理念と通じるのではないでしょうか。
 どんなに素晴らしい施設や資源が存在しても、あるいは実現できる財源があったとしても、人と人との信頼関係がなければ、利用する人に、その素晴らしさは伝わりません。吉本会長のいわれるように、「しりべしミュージアムロード」という実績がある地域なのですから、ぜひ人事交流も進めていかなければと思いました。
 菅原さんはそのビジョンのなかで観光振興のための道路整備を説かれています。この内容には三つの問題の研究が課題としてあげられるかと思います。自然保護は? 安全性への気配りは? 観光だけが道路を必要とするか? です。したがって、「自然資本と社会資本の関係」「道路の安全性と自動車の安全性の関係」「地域経済と道路の関係」についての学びが必要になってきます。これらの問題を感じて、未来塾ではそれぞれの学びを進めていました。

 

 

 

 

「地域住民へのインフラ啓発」 >>

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