創立60周年記念 座談会 (平成25年10月3日)
<協会ビジョン>
協会ビジョン 進行 石井
それでは後段に入ります。ここでは、「地域インフラを考える」パネル展でのアンケート解析結果をもとに、今後の協会ビジョンを考えるという段取りで進めていきたいと思います。
パネル展開催の経緯 石井
まずパネル展の経緯と結果についてご報告申し上げます。今年の春に中野実行委員長から、建設業のPRをしたいと考えているので、文章より写真を多用した企画を立ててくださいというご依頼がありました。同時に札幌地下歩行空間で以前開催された、小樽の歴史的建造物に関するパネル展のようなものをというご意向もいただきました。
建設業がPRしなければと思う背景や理由も把握できましたが、直接、建設業を取り上げるより、皆さんが請け負っている公共事業の必要性を取り上げ、その対象であるインフラが地域に大きな貢献をしているということを前面に出す方がいいと考えました。なぜなら私自身が武内さんの教えで以下のように考えていたからです。
これまでインフラというものは公共機関の資金と責任と管理によって整備され、一般市民には無関係と思っている人が多いということに、私も問題意識を持っていました。もし地域にインフラがなかったらと想像してみてください。道路がなければ仕事にも買い物にもあるいはデートにも行けません。港がなければ、例えば小樽の発展などあり得ず、歴史的建造物さえなく、観光なども開花していなかったでしょう。電気がなければテレビもパソコンも使えません。早い話、江戸時代に戻ることになります。
言い換えれば、インフラは地域の生活や産業にどれほど貢献しているかが見えてきます。だから税金の意味も理解できます。そして公共事業がその税金で賄われていると理解されます。したがって、それぞれの地域インフラを取り上げ、「概要」と「効果」を明らかにし、60年前と現在を比較できるようにするという企画が固まってきました。
この企画を提案させていただいたところ、吉本会長、中野実行委員長はじめ委員の方々が「これでいこう! 」と認めてくださいました。この即断即決の早さにはいつも感心してしまいます。あらためて感謝申し上げます。この決断の早さは吉本会長なればこそであると同時に、「武内学校」の10年の蓄積があればこそと、つくづく感じました。
もし外部の私が「武内学校」の門下生でなければ、たぶんこのような提案には至らなかったとも思います。例えば、今の存在を装飾してよく見せる、プロモーション(販売促進)的提案しか生まれなかったでしょう。今回はまさに新たな枠組みで建設業界を展望するという視点に立っています。
あらためて「武内学校」に感謝いたします。
記念事業委員会では「どのインフラにするか」「どんな写真があるか」「どんな概要か」「どんな効果があるか」「どの会社が工事担当か」など、何度も何度も議論が積み重ねられました。北海道開発局小樽開発建設部様および北海道後志総合振興局小樽建設管理部様にもアドバイスや写真提供をいただき、多くの会員の皆様から工事写真も拝借でき、 21枚のパネルができあがりました。
パネル展開催の結果 石井
この企画の最大の眼目は、「効果」の短い文章でした。つまり、インフラが地域にどのような貢献をしているかという部分です。これは、本記念誌のパネル展報告や、こんなに多くの方々が我々の陰の努力を理解してくれているのかという、吉本会長の感想にも示されています。インフラの重要性とともに建設業の重要性が、地域住民の方々に認識されているとわかったということが、なによりの成果でした。
また、4カ所の巡回パネル展でのアンケート回収は、1,000枚に達すれば上々と予想していましたが、倍以上の2,296枚に達し、多くの方々が意見を書き込んでくれました。実に画期的な出来事です。パネル展のアンケート統計篇・意見篇における解析結果は、「教育・研究課題」「防災対策」「世論対策」「広報課題」「展望」という5つの課題に反映できました 。さきほど会長が「謙虚に反省し」といわれたとおり、我々は何をなすべきかという課題に置き換えてみました。その解析結果はパネル展報告にありますが、これらをヒントにして、それぞれの提案を議論していきたいと思います。